平安初期を舞台にした、心霊アクションTAKAMURAシリーズの外伝。風もないのに揺れる鞦韆(ブランコ)の怪に、文章生・篁と、あの空海のタッグが立ち向かう。
現世と幻想が入り交じり、大男篁の感情の動きをあらわす静かな描写力がハイレベル。そして初期平安京の風景をあんなにさりげなく書かれるということは、よほど研究されたのだと思います。たった4話とは思えないほど、さらっとした文体の中に高密度で繰り広げられる、人と怪異のドラマ、思わず一気読みしてしまいました。「この作者様のTAKAMURAって気になるけど、どんな感じなんだろう?」と思われる方、まずはこちらを読んでみることをオススメします。