第2話春の暮仏僧縛りし朱縄かな
牡丹寺地獄絵図
死ぬのが定め、散るのが定め。子守唄のように耳許でくちずさむあなたの声を聞きながら、朱縄で縛られ、戒められて、これが地獄かはたまた報いか、女犯の禁を破った私は打擲されているのです。いいえ、女犯と云わず、観音ばかりか吉祥天女に淫したのが私の過ちでございました。女犯よりも口憚られる、僧としてあるまじきことにございます。己が丹精した牡丹の園に御像を移し、花の密を味わうように夢うつつに交わって、法悦の心地に包まれたのも春の夜のこと、
揺籃忌 雨伽詩音 @rain_sion
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