第8話下校途中を襲う

「いつから私の事が好きだったの?」

「最初からだよ、合格発表のとき、僕を見ていたのを知っていたし、その後も教室で僕の事をずっと見ていたのを知っていたよ」

「そうか、そうだったのか。これから、村松君のことを哲男って呼んでいい?」

「僕も、小夜子って呼ぶよ」

二人は教室に帰った。でも、小夜子が話しかけても、哲男はあまり返事をしない。みんなに二人の仲を隠そうとしているみたいだった。

哲男は、気が小さいので、積極的に話しかけて来ない。小夜子が待っているのに、いつも知らん顔をする。それが、もどかしい。どうしようかと考えた。哲男の下校途中を襲うことにした。

哲男が下校した、小夜子はすぐ後に下校した。途中で追いついた。

「一緒に帰ろうよ」

「ダメだよ、誰かに見られたらどうするんだよ」

「何、気の小さいこと言ってるのよ、堂々としていればいいのよ」

それから二人は、毎日二人で帰るようになった。

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