第2話入学式

入学式当日、正面玄関に、クラス別に氏名が発表された。小夜子は5組だった。

5組の教室は2階だった。小夜子が教室に入ったときには、教室には男女併せて10人くらいが座っていた。

あの男の子は居なかった。その後徐々に人数が増えて行った。席が埋まりそうになった、あの男の子は違うクラスかと思ったとき、あの男の子が来て座った。

「神様、ありがとうございます」


担任が、入って来た。山田と名乗った。

山田は「1年間よろしく」と言った。

山田は、入学式の説明をした。

いよいよ入学式が始まった。クラスごとに、男女別に横一列で並んで座った。男子は全員黙っていた。みんな初対面でコチコチに緊張していた。

男子の後ろで女子は、初対面なのに、十年来の旧友のように大声でおしゃべりをしていた。

小夜子も他の女子と同じように、大声でおしゃべりをしていた。

小夜子は、身長159センチ、体重46キロ、人には、はっきり物を言うタイプだった。特徴的なのは、眼力が強いことだった。猫の眼のような眼をしていた。

「合格出来て良かったね」

「そうね、どこの中学?」

「田島南中学」

「じゃあ近いね私田島北中学」

「担任はうるさそうね」

「あら、そう。そうでもないんじゃない。ベテランだし」

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