第4話 ベットの上で


「ねぇ〜先輩?起きてますかーー??」


深夜の3時、思ったよりも早くギャルゲをクリアした俺たちは一つのベットの上で横になっていた。

互いに違う方向に横たわり、千崎が小声で聞いてきた。千崎の甘い香りが部屋中に漂い、クラクラして寝れない。それにすぐ真横には千崎がいるのだから寝れるわけがないのだ。


「寝れないのか?」


「ちょっと緊張してきちゃいまして...」


「え?」


ま、まさか千崎が俺のことを意識してるなんてことがあるのか。いや、今までそんなことは一度もなかった筈だ。安易に期待してはダメだ。


「胸が苦しくて...寝れないんです」


これは期待するしかないでしょ!!!千崎から言い出しにくいのなら俺から言うが、なんか俺まで胸がドキドキしてきた。


「考えると胸がドキドキして、先輩...。どうにかしてくれませんか??」


千崎が振り返るのがわかった。なので俺も意を決して振り向く。ベットの上で見つめ合う2人、異様に色っぽい千崎は制服のままで、ボタンも第3まで外してて。唇が艶やかに光り、目を輝かせていて顔が風邪をひいてるかのように赤い。可愛すぎる。


「先輩...」


俺が少し近づくと自然と千崎も近づいてきて。


「千崎...」


千崎は覚悟が決まったかのような表情に変わり。


「やるぞ...」


俺も覚悟を決め。


「やりたいです...」


さらに近づき、手が顔に触れる寸前、千崎が口を開く。


「私明日のテストが心配です〜」


「は?」


俺は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。


「明日テストですよ?」


「えーと、今までのことはテストのことを言っていたのか?」


「それ以外に何があるんですか??まさかせんぱーーーーぃ。いやらしいことだと思ったんですか〜〜??」


正面に横たわる千崎は無邪気に笑う。俺をからかうのが楽しいのだろう。


「そ、そんなことは...」


当然思っていた。それに期待していた分動揺が大きい。見つめ合っていた目をそらしてしまう。


「先輩いやらしい。あははっっ」


「千崎はいつもいつも紛らわしいんだよ」


「先輩が勘違いするのが悪いんですよ〜??」


「勘違いさせるな」


「先輩...。もし私が勘違いじゃないって言ったらどうします??」


「そ、それって?」


「あははっっ。なんでもないですよ〜。ただ先輩をからかっただけです〜。思ったよりも先輩の反応が面白くて可愛いです」


「そうかよ...」


「あっ!それより明日のテスト勉強やりましょうよ!」


「切り替え早いな!」


「えへへ。時間は有限ですよ?」


「わかったよ。やるか」


「私に隅々まで教えてくださいね?」


「だから勉強の話だよねーーーー!!!???」


俺と千崎は起き上がりテスト勉強をしようとするのであった。

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