第14話 クリスマス
「先輩!今日はクリスマスですよ!!」
千崎が目を輝かせ上機嫌で聞いてくる。
「そうだな」
「先輩何でそんな乗り気じゃないんですか〜〜??」
「クリスマス何て一度も気にしたことがないぞ?」
「先輩が、ひねくれていますー」
「適当にアニメでも見るか」
「先輩!!プレゼント交換しませんかっ?」
「え?」
「せんぱーーーーぃ?もしかして私とクリスマス過ごすことに意識しました??まさか照れちゃいました〜〜??」
「し、してねぇーし。ただプレゼント交換ならやっても良いぞ...」
「わ、わかりました。先輩がやりたいなら仕方ないですね〜今からお互いのプレゼントを買いに行きましょう」
「やりたいとは言ってないが、まぁ暇だしやるか」
俺たち別々に買い物へと向かった。
そして、1時間後...
「買ってきましたーーー!!!」
千崎が勢いよく扉を開け、元気に言う。
「遅かったな」
「先輩のことを想って選びましたから」
「そ、そうか。それじゃやるか」
若干動揺しつつ、始めることにする。
「ルンルンルンルン〜〜〜♪」
「いきなりなんだその変な歌は」
「先輩知らないんですか〜〜??プレゼント交換するときは音楽が流れるんですよ。それより私が歌っているので、ルンルン〜、早く、ルンルン〜プレゼント交換しましょう。ルンルン〜」
「プレゼントを回す意味が...」
もし俺のところに自分のプレゼントが来たらどうするんだよ。まぁ、千崎が楽しそうなら良いか。
そして、千崎の歌が止まった。
「あっ」
「あっ」
「ま、間違えちゃいました。えへへ〜」
自分で歌っておいて、自分が買ってきたプレゼントが手元に来た時に止めるのはドジすぎるのも程がある。まぁ可愛いが。
「普通に交換するか」
「はい!」
千崎のプレゼントを受け取り、俺は千崎に買ってきたプレゼントを渡す。
ラッピングを解き、箱を開けると
「っっつ!」
「どうしましたか??せんぱーーーーぃ?」
「千崎っ!これって...」
「え、エロゲかっっ!」
「そうですよ〜」
「い、色々言いたいことがあるが、素直に嬉しいから大切に使うわ。ありがとな」
「えへへ〜〜。先輩にお礼言われると照れてしまいますね〜〜。あっ、もしかして先輩〜〜??クリスマスプレゼントがエロゲだったからクリスマスの日に私がそういうことをしたいって思っちゃいました〜〜??残念でした〜〜。私の大好きなエロゲを先輩にあげただけです♡」
「そ、そうか。全く考えなかったぞ。ち、千崎の考えすぎだ」
もしかしたらって考えたに決まっているだろーーー!クリスマス悶え苦しみながら毎年暮らしていた俺が今は千崎と2人きり、しかも同じ部屋に居るんだぞ。考えない方が無理がある。
「そうですか〜。私の考えすぎだったんですね。では先輩のプレゼント開けさせてもらえますね」
「あっ、これって...。エロゲじゃないですかーーーーーーーー」
「まぁ、そうだが」
「意識しているんじゃないですか!」
「ち、ちげーよ。千崎にオススメのエロゲがあったから買ってきたんだ」
「そ、そういうことにしてあげます。まさか先輩と同じ考えを持っていたなんて...。はぁー。ではその、せっかくなのでさっそくやりますか?」
「は、は?」
「え?」
「や、やるか」
「って先輩??まさかとは思いますが、そっちの意味のやるって思ったんですか〜〜??あはははっっ!エロゲですよエロゲ。せっかくなので一緒にやりましょうか?」
「だから紛らしいんだよーーー!!まぁ、せっかくだし、やるか」
「はい!」
俺たちのクリスマスはこれから始まるのだった。
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