最終夜 命奪いにくる者

 私が勤めている会社の先輩から聞いた話です。


 先輩は今は妻子がいるので丸くなりましたが、若い頃はヤンチャで、よく心霊スポットに友達と行っていたそうです。

 

 ある日の事、先輩は友達数名と共に、この地方でもかなり有名な心霊スポットに行きました(場所は詳しく言えませんが、周辺に住んでいる人は誰でも知っているような場所です)


 勿論そこは幽霊の目撃情報が後を絶えず、鼻のないお婆さんの幽霊が道路に立っている、落ち武者の生首が飛んでいる、卒塔婆を持った男がいた。などの話があり、怖くて私は近づいた事はありませんが、先輩はそんな事は構わずその場所に向かったのです。


 神をも恐れない先輩は、何か起きるんじゃないかと期待していたそうですが、心霊スポットでは、とくに怪奇現象にみまわれる事もなく帰る事にしたそうです。

 

 しかし、異変が起きたのは帰りの高速道路を車で走行している時でした。


 何もないのに突如、車がドンという大きな音を立てて揺れたそうです。

「なんだいまの!?」

 運転していた先輩は、何も見えなかったのですが、助手席にいた友達は青い顔をしています。

 先輩が何があったのか尋ねると「四つん這いのお婆さんが、前からこっちに向かってきて車にぶつかった」と言うのです。

 

 先輩を含め他の人は四つん這いのお婆さんは見ていません。

 先輩はゾッとしつつも「変な事をいうなよーw」と言いながら、友人の話を流しました。


 その日は何事もなく帰宅したましたが、次の日、先輩は車が大破する程の大きな事故に遭ったのです。


 先輩は気絶しただけで、大きな怪我はありませんでした。

 しかし先輩が大破した車中で目を覚ますと、事故を起こした際、杭が車に刺さり、エンジンルームを突き破っていたそうです。

 幸いにも、その杭は先輩の胸に当たる数センチ前で止まってしましたが、あと少しスピードをだしていたた、心臓を貫いていたかもしれません。



 この話をしていた時、先輩は笑いながら「四つん這いのお婆さんが守ってくれたのかもな!」なんて言っていましたが、私には命を奪いに来たようにしか思えません。

  

 やはり不用意に心霊スポットに近づくのは危ないのかもしれませんね。

 

【後書き】

 私が体験したり聞いた怖い話、不思議な話はこれで終わりです。


 まあ、純粋にネタが切れたからなんですが、また新たに不思議な体験をしたら、追記していきたいの思います。

 



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私が実際に聞いたり、体験した怖い話! 東樹 @itukiazuma33

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ