バルザ・レオール伝

書こうとして放置していた、戦記小説の冒頭部です。
もう書くことはないと思いますが、ローカルに眠らせておくとファイルが迷子になりそうなので、アップしてみます。

内容ですが、架空世界を舞台にした、魔法の出てこないファンタジー小説を予定していました。

主人公は、クラリアント王国の名もなき寒村で生まれた少年バルザ。
聡明な子供だったバルザは、村に住む変わり者の老司祭から教育を受け、やがてクラリアントの国教である〈アドラ教〉の叙階を受けます。
しかし世に認められていく中で、バルザには不満がありました。
彼の目には、800年前に聖者アドラが残したという発言と、現在の教会が唱える教義の間に矛盾があるように見えたのです。教会が編纂した注釈書は、欺瞞に満ちているとバルザは考えました。

ある日、バルザは一…続きを読む