あとがき

 以上が古事記の冒頭部分です。そこそこの長文になってしまったので文章が荒れてますけど、黄泉戸喫よもつへぐひのことをなんとなく理解してもらえたでしょうか。


 ちなみに、このあとイザナギは、イザナミと魑魅魍魎ちみもうりょう(イザナミのパシリ)に散々追いかけまわされ、ほとんど追い詰められるようにして、この世とあの世の境いにある黄泉比良坂よもつひらさかまで戻ります。


 そこでも大ゲンカがやまない兄妹は、こんなことを言い合って決別しました。


「私にこんな恥をかかせておいて、自分だけ現世うつしよに逃げるなんて最低! あんたみたいなクズ男は絶対に許してやんないから。いいこと、これからあんたの国の人間をいっぱいいっぱい殺してやるからね。毎日千人ずつ締め殺してやるんだからね!」

「はあ? 締め殺すんじゃなくて、悪臭で窒息させるんだろ。お前の臭いはマジ殺人的だ。そりゃあ、千人死ぬわ。けどな、お前が千人の人間を殺すってんなら、俺は毎日千五百の産屋を建ててやる。殺される人数よりも五百多い人間を誕生させてやるから、キング・オブ・バカエストのオツムによーく叩きこんどけ!」


 以後、毎日千人の人間が死に、毎日千五百人の人間が生まれるようになりました。


 しかし、それはずっとずっと昔の話で、昨今の日本にはあてはまりません。一日の出生数は約二千九百人。死亡数は約三千三百人。いつの間にかイザナギとイザナミのパワーバランスが崩れて、現在では死亡数が出生数を四百人ほど上まわっています。


 人口は多すぎても問題ですが、少なすぎるのもよくないです。このままだと日本の人口は減少していく一方です。ヒステリックに怒っているイザナミに負けないよう、なんとかイザナギには頑張ってもらいたいんですけど、イザナミちゃん怖いから……


 で、古事記に興味を持たれて、続きを読みたいと思った方は、ググってみてください。現代語訳したものが無料で読めたりします。


 古事記はイザナギ、イナザミの話が終わったあともまだまだ続きます。お姉ちゃんにあたる神が食事しているところにウ○コを投げつける弟神がいて、そんな馬鹿なことをした弟神がオロチ(首が八つある化物蛇)を退治したりとか、ほんとに古事記は先が読めない極上エンタメ小説です。


 読んで損はないと思いますので、ぜひ、どうぞ。


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独断と偏見で現代語訳した古事記 烏目浩輔 @WATERES

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