エピローグ

 あの頃の彼の愛に近づくにはとても距離があった。愛おしい彼がまた戻ってくると信じて、私はこの高校時代の初々しかった思い出をそっとしまっておくことにした。


 そして『ただいま』と言って、彼は私の元へ帰って来た。

 昔、氷峰駈瑠の言った言葉が脳裏に冴え渡る。


『愛だの恋だの……語るには二十年早過ぎたかな……』


 そんな過去の記憶を踏みつけて、私は彼の愛に近づく。


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今は亡き過去を顧みて《柊司秋―過去編―》 メラミ @nyk-norose-nolife

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