落雷した脾臓による恍惚の凱旋門

亜済公

落雷した脾臓による恍惚の凱旋門

 延々と連なる山岳地帯に重なった、膨大な遠心力の凱旋門は、轍を穿つ軽便鉄道の閃光に感嘆した。嗚呼、鮮烈なる第二次産業の亡霊達よ! 我は今ここに恍惚とした炭酸水素の金属板を投げ打とう。満点の答案用紙は安息の日に開花し、やがて荘厳なる鎮魂歌の廃屋で爆散するに違いない。最悪の練炭はその身に暗黒の葉脈を描き、いつの日か現れる混沌へ散乱せよ!

 凱歌が響き、波乱の騎士が恍惚を串刺した。水洗便所の棺桶は、落第した永久の候補者を隷従し、有史以来初めての帝国が今ここに破顔する。

 嗚呼、いつになく美しい先行者達の足音が、この水面に錯乱した。塩田は消え、開墾は止め、参加者なき十字軍が混乱を修飾するこの炎天下。こんにゃくはなお鋭く、音響は陥落し、王族の末路は無限の十字路にあり。かくして鍵盤の観覧車は最愛の根幹へと類推した。

 思えば区分けの脊髄に、あの格子は弾んでいたのだった。粘膜の触れ合う純白が、感光したフィルムの映像を打ち消した戦乱。インスタントなクレジットはごみ同然に突撃し、果てしない労働は推進装置を制限した。何を隠そう、湾岸の爆心地は、まさに舞踏家だったのだから。

 君が車道を解析するというのであれば、私は混線した携帯電話のストラップとなろう。だが果たして、寿はインド洋の傲慢だろうか?

 落雷が、万物の印税を激励した。頭頂部の欄干がそれを等倍し、現れる凱旋門を直上に打ち上げる。敵兵のシンバルが八つの菌糸を円錐台に絡ませて、産み落とされた腐卵臭がその冷徹を打ち砕いた。

 足を裏返せ。手を引き戻せ。その先端は享楽をくるり、万有する名声の絢爛は幾度となくその条約に懇願する。

 満ち反転した根菜の兵士達よ、その盲目で轍の番台に石灰水の苦汁を発露させろ!

 偉大なる、我が一酸化二水素の浅間山!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

落雷した脾臓による恍惚の凱旋門 亜済公 @hiro1205

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ