未来の神話としてのクリスマスストーリー

この物語の主人公は人間ではない。サンタクロース、それも人類の滅んだあとの。プレゼントを贈るべき相手を探す旅路はあまりに切ない。

端正な文章で綴られる「また会いたい」という想いが胸に痛い。けれど、これは再生の物語でもあるはずだ。
生まれくる世界のかたちをぜひとも見てほしい。私はこの作品を、神話と形容してもいいと思うのだ。