新たなる冒険がこの著者の神髄を見せてくれる。

小石が意思を持ち、話し、動く?
相棒と共に世界を駆け巡り、冒険と戦いの旅をする。

今までのこの筆者が描いていた長い詩を編むようなタッチとはまた違う、冒険ファンタジーというジャンル。新たな挑戦に著者の意気込みを感じます。よりスマートに、スピーディーに洗練された、しかし深く考えさせる記述はそのままに、また別の一面を垣間見せてくれます。

主人公である小石は、主人公でありながら非常に客観的に世界を捉え、まるでストーリーテラーのごとく、くまなく周囲を観察していき、時に思惑し、時に話し、驚き、喜び、客観的でありながら感情は豊かで、それをいとも簡単に描きこなす著者の筆致に唸ります。

冒険はまだまだ続きます。果てに何が待っているのでしょうか。見守っていきたいと思います。