おかえりなさい!

遣唐使が題材、というところに惹かれて読み始めました。
阿倍仲麻呂や吉備真備、井上真成といった豪華メンバー総出演で、約20年に渡る唐での生活の、真面目な部分だけでなくお茶目な部分、青春、友情、ちょっとお色気、そういう人間臭さが唐の空気と一緒に立ちのぼってくるようで、おもしろかったです。
ファンタジーで味付けはされていますが、歴史的事実や当時の風習、漢詩なんかをきっちり押さえてあって、とても読み応えのある物語でした。
終盤の流れは、主人公と一緒に「うわーん!」と泣いてしまいそうでした。ラストまで読んでようやく解ける「序」と、語り手が話している相手。全編を通して「想い」というものが秘めている力を感じました。
歴史好きの人にも、そうでない人にも、オススメです!

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