すれ違う『血』

 映画版『インタビュー・ウイズ・ヴァンパイア(アン・ライス原作、ニール・ジョーダン監督、ゲフィン・ピクチャーズ製作、敬称略)』で語られた通り、人間と吸血鬼の間には紛れもなく葛藤が生まれる。ある意味吸血鬼文学の重要な題材そのものだろう。
 本作の久藤氏は、上述の映画でいうならルイの理性とレスタトの感性を併せ持ったタイプだと思う。
 永劫が退廃になるのか開明になるのかは分からないが、二人には是非次なる吸血鬼文学を造り上げて欲しい。