電話をキーワードとしたホラー短編集

最新話、第3話まで読了時点のレビューとなります。

「電話」を中心とした奇怪な物語で(第3話まで)、残酷描写はないのに背筋がぞぞぞとなり、後味として切なさも残ります。
こうしてみると、ホラーにもいろいろなタイプがあるなぁと感心する作品集です。

状況の描写も丁寧で家庭のシーンがすっと頭に浮かびますし、心情描写も詳細に記されているので感情の移入もしやすいです。
特に第3話の困惑ぶりは、家族3人分の気持ちがぐっと迫ってくる感じがしました。

日常的に起こりうる場面に、少し違和感の残る要素を巧みに取り入れて読者にあれこれ想像させてくれるので、体験する怖さも読者によって感じ方は様々なのかもしれません。
そこがまた上手いと思います。

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