エクスキューズ!

オマケという名の解説(言い訳)。

 作者みずから自作の解説をするほど恥ずかしいことはない。

 ましてや、たいして読まれていないうえに読まれないことを前提とした解説ともなれば、ある種のホラーと言っても過言ではない。

 

 私は、ホラーが大好きです。


 そんなわけで、某新人賞の編集さんも評価シートの表記から誤読(誤解?)してたっぽいくらいに設定がややこしく、かつ筆力の低さゆえに伝わっていないことも多かろうと思い、恥を書き捨てることにしました。……まぁ、昔はその恥ずかしさをよくわかってなくて(略)。


 まず、件の編集さんにも上手く伝わっていなかったかもしれない設定、損失優先度について。

 アポカリプサーの損失優先度はポストアポカリプス世界での有用度-マイナス生存にかかるコストで計算されています。ざっくりいうと、百人を救うために一万人を死なす人的資源は排除したほうがよくない? みたいな判断ですね。


 したがって最初に判定度『S』を食らった安中絆夏は、そういう人材だったわけです。

 具体的には、将来的に指導者として生存者を引き連れてポポポ市を急襲、全滅、自身は生存して再起すると予測されました。本人かアポカリプサーが死ぬまでエンドレスにやってくる、人類にとって危険な英雄だ、というわけです。


 その絆夏の判定値がどうして下がったのか。

 こちらは、判定基準が違うからです。終盤で黄泉寺たちのアポカリプサー(新)とポポポ市のアポカリプサー(旧)が別個体(派生)だと明らかになりますが、再会したときの絆夏の判定は新アポカリプサーがおこなっています。


 新しい判定基準は明確で、人間的かどうかだけです。何万人を死なそうが決してアポカリプサー打倒を諦めない絆夏は極めて人間的だというわけですね。コワイ。


 ちなみに、黄泉寺のカメラの判定値が異常に高くなったのは、黄泉寺と絖瀬のとった『理由ある反抗』による学習成果です。黄泉寺たちは都合のいい解釈を与えてカッコよさげに納得していますが、単に新アポカリプサーが『黒歴史は消去すべし』と学習しただけという。本文中にそう書くべきだったかもしれないんですが、どこに入れてもなんか冷めそうで入れられなかったというのが真相です。勇気、大事。



 伝わりにくそうな部分は解説したので、残りはコンセプトとか。

 本作は、『伊藤計劃』に1ミリも触れたことがない人が『虐殺器官の解説』だけを読んでこんな雰囲気の話に違いあるめぇ、と書いたものです。あっちこっちに出して二次で落ちたり一次で落ちたりした頃ピンときてナンセンス(不条理)を入れたら三次で落ちました。ダメじゃん。


 その後、もういいだろと『虐殺器官』を読んで、あぶねぇカフカをメインにしなくてよかったと胸をなでおろしました。やっぱり読んでから書くべきだった。



 ウケないのは承知の上で入れた『ナンセンスェカイ形態小説』なる文言は、ナンセンスの基本(?)となる、かばん語(合成語)です。ナンセンス+セカイ系+携帯小説ですね。ギャグ小説ですから意味なんかないですよ、という意思表明です。


 ちなみに、新人賞への投稿時は『ポポポポ』だけだったので、ナンセンスだと分かりやすいように最後のアポカリプサーのメールにその旨を書きました。


 すなわち、『最後に(中略)無意味な文字列を』です。


 まぁ、ナンセンス的には不正解ながら、『アポカリプサーAIは言葉の意味を理解できていないことを理解している』ことを示していたりもしますが。


 その後に続く文字列はセカイ系で時代をつくった人と真似して量産したけど目立たなかったあれやこれやとかキルケゴールからカミュの時代になってポスト構造主義の時代がどうたらとか通好み(?)っぽい含意もあるように見えたりしますがナンセンスなんで意味はないです。



 ……以上です。

 自分で解説しなければならない悲しみ。プロになって誰かに解説されてプププそんな意味じゃないのにぃとかほくそ笑みたいなぁ。違うか。

 

 お読みいただき、ありがとうございました。

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ポポポポ λμ @ramdomyu

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