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ある夏の日のエレベータにて

海沿いのなだらかな丘に建つ全寮制の高齢者向け学園「羊雲」に新たなお迎えが来た。 三年B組の立石実子は同級生から凄惨な臨終の様子を聞くも、あら大変の一言で流してしまう。 しかし、今…

都内某所で開催されたダンスバトルの会場は静寂に包まれていた。 低音のエイト・ビート・トラックこそかかっているものの、観客は誰もが目を疑っていた。 MCだけが動じずに参加者の名を呼…

秋口直史は先ほど見た他人の夢に疑問を抱いた。

菊池良太は高校進学と父の転勤に伴い地方から東京へ移住する。両親にとっては懐かしの、良太にとっては憧れの地だった東京。期待と不安に震える良太は入学前最後の面談で、奇妙な風習について…

デビューライブ前日、真智は無理を言ってひとり会場に残り、あこがれのステージを見つめていた。

三月三日の夜、迷い込んだ赫代村《かくよむら》で子を産み落とした明穂の躰を若い医師が揺すぶった。早産ゆえに小さな子をお雛まきにして抱え、医師は声を潜める。 「今すぐ場所を移さなくて…

放課後の教室、二人の少年が幽霊の見つけ方について話し合い、試す話。

二泊三日で冬山にキャンプに来た樋口たち三人は、最終日の夜、仲間の一人の提案で肝試しとして鬼骨の祠に赴く。 そこで仲間の一人が祠を壊してしまうのだが……。 ※この物語はフィクショ…

正月、三年ぶりに実家に帰省する子になった私が、うまいこと根掘り葉掘り聞きだされないようにかわす話。

バーテンダーをしている乃恵美が、中学生の頃つま先が綺麗だと褒められた時のことを語る。

その日も『雪』が降っていた。 バラバラに分解され消却されたはずの情報の粒。 赤、青、黄色と、極彩色に降り積もり消えることのないそれを、私たちは雪と呼んでいた。

小学生の頃、授業をサボって、こっくりさんをやっていたときの話。 ※怖そうで怖くない少し怖いカクヨム百物語参加作

創作していて分からなくなったことを並べてるだけです。 基本、作者は『なんでもあり』派です。 答えとかあるのだろうか。

ここではないどこかの世界で暮らしていた『ボク』は、ある日の朝、ほぼすべての生き物が消失し崩壊してしまった日本に、家ごと放りだされる。 はじめは両親の不在や知らない世界に混乱するボ…

内見中の全てを破壊しながら突き進むバッファロー高橋は三分以内にやらなければならないことがあった。 窓も扉もない人間ぶっ殺しゾーンから脱出するためにトリあえずからくり箱の眼鏡絵とし…

ヒトミは物心ついたときから分厚いめがねをかけさせられていた。 「めがねがないと見えないんだから」 母に何度もいわれてそういうものかと諦めていた。そんなヒトミにも恋人ができ、とうと…

〈僕〉、水野ヒカルは生まれつき特殊な共感覚をもっていた。危険を知らせる人や物は赤色に、幸せや安心をくれる人や物は薄青色に光って見えるのである。 その体質を気味悪がられて人付きあい…

中西はベッドの横に転がる死体を見つめていた。 誰だか知らない女の死体だ。 いつ死んで、なぜここにいるのだろうか。 ※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものでは…

私は悪夢を見て目を覚ました。 はなさないで、という声が聞こえる夢だ。 映像はない。声だけ。 どういう意味なのだろうか。

坂本は突風にあおられ、瞼を閉じた。目に鋭い痛みが走った。 いつもなら五分もすれば治るのに、目の痛みは一向に引かない。はじめは軽く見ていた坂本だったが、社に戻ると眼科に行くよう勧め…

私に相談したいものがあるといって出されたのは、継ぎ目のない、古びた小さな木箱だった。

『僕』はロフト付きの八畳間で声をかけられ、ふと我に返る。しかし、声をかけてきた男が誰かわからない。呼びかけられた名前と、手にしていた名刺から、僕が高梁で内見に来ていることは分かっ…

この宇宙には三分以内にやらなければならないことがあった。 しかし、それがなにかは宇宙自体も知らなかった。

全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れには三分以内にやらなければならないことがあった。

メシを作って食べているだけです。 どんな需要なのか分かりませんが残しておいてほしいとお願いされましたので、エッセイと強弁して晒すことにしましたわ。 このように興奮するとお嬢様弁…

少年ナギは、不気味だからと99800円（税抜き）で売り飛ばされた。 ナギは購入者である帽子の男の元で殺人を繰り返しながらも平穏無事に暮らしていたが、働いていた施設が平凡維持機構な…

昼休み、どこで食事を食べようか悩んでいた美袋は、なぜか親しくしてくれる女子に声をかけられた。 「秘密の食べ方、教えてあげる」 そう耳元で囁かれ、美袋は屋上へと誘われた。

深夜、ゴミ捨てに出た「僕」は、不気味な影を見かけました。 ＊この物語はフィクションです。また、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

小悪党が勇者になったり、ならなかったりする話。 ※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません

瑛太は目覚めると暗闇の中にいた。他に三人捕らえられているらしい。自己紹介をはじめるうちに部屋の電気が灯り、ディスプレイに人影が映った。 人影は命を賭けたゲームだと瑛太たちに告げ、…

中学校の教員として初めてクラスを受け持った南風原智樹は、卒業文集用に提出された原稿の束のなかから、奇妙な文章を見つける。 匿名で書かれた怒りも透ける赤い文字列は、過去のイジメを告…

掛詞

せっかくカクヨムでやるからにはとカクヨムっぽさを出すつもりで、創作沼にハマった人の五年を書いてみました。 *十七句の季語（？）はKAC。カクヨムアニバーサリーチャンピオンシップ…

深夜、相澤はタバコを切らしているのに気づき、どうしても我慢できず傘を手に家を出た。水滴の落ちる階段を降りているとき、ふと顔をあげると、細道に自転車を止め、じっと何かを見ている男が…

工学部の学生、正木康介は、初対面の女にポルターガイスト現象の解決を依頼される。 康介は女のチョロい人妻オーラに惹かれて依頼を受けるが……。 ＊約9000字

[KAC20237]『いいわけ』の曲解 枯井戸ナツはウェブ小説サイト大手のひとつヨミカキの人気作を読み、頭を抱えていた。 ※本作はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関…

僕はヒトより一足はやくランチタイムを終えて会社に戻ろうとしていた。駐車場で猫が日向ぼっこをしていた。嫌味のつもりで「ご精が出ますね」と話しかけると、猫は「ヒトより仕事が遅いもので…

不幸体質というサイトを通じて知り合った、男女六人と一頭の集まり。

寝坊した長谷川が慌てて街に飛びだすと世界は筋肉だった。

実は今朝、昨日の深夜？　こんなことが起きてたんだって。

寝れなくなった滝川が深夜の散歩に出て帰ってくる話。

螺旋大学思考実験室で殺人事件が起きた。通報者は被害者で同一人物が三人。現場に血の一滴が落ちていたため犯人はすぐに判明した。現場に急行した刑事である。通報者は自身を殺害した犯人の刑…

二人の子を持つ林藤は、再婚ママ友の集まりに参加した。連れ子持ち特有の悩みを笑い合うなか、話は子供のぬいぐるみ離れに移り、メンバーの一人がうちの子もそうだと写真を出す。 しかし、そ…

奇妙な本屋だった。 本は少なく、ジャンルはまばら。いずれも見たことのない装丁で、聞いたことのない出版社が出している。 店員は一人の少女。 気まぐれに文学らしき一冊を手に取ると、金…

文章リハビリと修行用のショートショート。シーン練習ともいう。 『その他』ジャンル。玉石コンコース。 一話千字以下

私が短編を読み終えると、先生は言った。 「ピータンのない意見を聞かせて欲しい」 意味がわからなかった。

仲間内で楽しく過ごせたはずのクリスマスの翌日、結菜《ゆな》の部屋のインターフォンが鳴った。仲間のひとりの陽斗《はると》だった。 結菜が何の用かと訊ねると、先日のプレゼント交換会に…

クリスマスなので。 ※微グロ注意

故郷を焼かれたアスラは燃え落ちる村で見た星色の竜《ギャラクティクドラゴン》を仇と定めて復讐を誓った。 やがて腕をあげたアスラは、王国初の経歴をもつ騎士として召し上げられることにな…