第3話 3わ

きょんでありまする。


ふたたびお目にかかれたこと、たいへんうれしく思っておりまする。


さて、

わたくしめのお話のつづきをさせていただいても、よろしいのでありましょうか。



わたくしめとぱいろんが、幼なじみというよりは兄妹のように、ねえさまの下にて育てられたともうしますれば、

ぱいろんが母、猫又さまはそのあいだ、どのように過ごされていたのかと申しますと、じつのところ、よくわからぬのでございまする。


わが相方となるあねさまから、猫又さまはあねさまの主様からの所用をうけての旅回りと聞きおよんではおりまするが、

そのほかのことは、とんとわからぬことでありまする。


たまさまは、ふらりといなくなられることがありますれば、

ときおりあるさまよいぐせか、主様からの命かとんとわからぬと、あねさまはよくもうしておりまする。



あねさまが主様の頼まれごとを受け、出かけられるおりには、猫又さまがぱいろんとわたくしめの面倒をみてくださりますため、

猫又さまは、わたくしめのもう一人の母ともいえるお方にてございまする。


そうもうしますると、猫又さまは決まって、たま姉と呼ぶようになどともうしますれば、

たまさまは、たまさまでございまする。とお答えいたしますと、

なんともうれしげなようすで、わたくしめとぱいろんに抱きつき、ほおずりをするのでございまする。


わが母たまさまは、そのように、感情のゆたかな方でございました。

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