第7話 7わ

きょんでございまする。

みなさま、お話しがおわらず、まことにもうしわけございませぬ。

宇宙そらの港のおはなしを続けさせていただきまする。



さて、

宇宙そらの港の手前にありまする市。

屋台の立ち並びまする通りと広場にて、買い物をすませたのでございまする。


詳しくは省かせていただきまするが、

ねえさまの値切る手並みは、なかなかのものだと、友ぱいろんは申しておりまする。


なんなれば、

足したり引いたり、なだめたりすかしたり、

ねえさまは店のあるじどのと、じつに楽しげに長々と話し合っているのでありまする。


そして最後は店のあるじどのが頭をかかえつつ、手打ちにするのでございまする。



買いもとめた、持つのがたいへんなほどたくさんの食材は、ひとの目にとまらぬよう、小さな結界を張り、

傷みやすい食材ものは、冷やし、あるいは凍らせ、隠しておきまする。


ねえさまの得手の術は幻術、炎でごさいまするが、

なんでも、猫又、たまさまのもうすところでは、

あやはさま、ねえさまの術の大元、しんずいたるものはしんどう、波なのだそうでごさいまする。


わたくしめには、とんとわからぬことでございまするが、寄せては返す波のちからともうしますのは、

しんどう、ふるえるちからと同じであると、たまさまは申しておりまする。


すべてのものはふるえており、

ものが持つふるえ、しんどうなるものを増やすと熱く、減らすと冷たくなるそうでありまする。


いきものや食べ物は特にむずかしくなく、それのもつ水に対してはたらきかければ、

苦もなくかんたんに温めたり、冷やしたりできるのだそうでございまする。



そうして、人知れず隠した食材を置き、宇宙の港へと向かうのでありまする。



宇宙そらの港。

本日はひさかたぶりに宇宙そらの船が飛び立つ日なのだそうでございまする。


まあなんと、楽しみなことでありまする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る