誰もが泥を見た。彼女だけが、星を見た。

本作の主人公、梔・ルディ・クラン・ハビムトは、物知らずなエルフのお姫様である。

クランは頭が悪い。
クランは世間知らずだ。
クランはどうしようもなく弱い。
クランは気が短い。
クランは若く未熟だ。
クランは警戒心というものを持ち合わせてない。
クランは己の美点に全く気づいてない。
クランは誰よりも愚かだ。
クランはエスプリを持っている。

だからクランはきっといつの日か、

星を斬る。

これはそういう話だ。