展覧会の絵の如く、ワンシーンは枠内で輝きを放ち、枠外へ魅力を振り撒く。

作者様の多種多様な心の絵が、一見無秩序に実は秩序を保って、飾られているような趣きです。
一編の長さもタッチも各々違います。連作もありますが、基本的に一話完結の掌編で手に取り易く、擬人化ストーリーには作者様の発想力の鋭さと豊かさを魅せられ、驚嘆しました。色々な気持ちと色彩が丁度良い形で切り取られて、丁度良い分量で詰め込まれているように感じられます。
そして、気になるタイトルから手に取ることを、作者様が許容されています。心に迫る一編に出会う束の間の心の旅を……私は『Tristeza』が特に好きです。

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