少女が踏み込む、不気味で思惑だらけの空間


言葉を発したら、それには霊力がこもる。
年相応の少女の目線から語られる、不気味かつ日本の歴史を辿るような奥深い世界に圧倒されます。
文章然り、世界観然り、主人公の歩み方然り。
文字へのこだわりの尋常ではない思い、もとい重み。
それでいて、女子中学生からの世界という、一見朗らかそうで、裏では殺伐とした世界感に飾られ、一層雰囲気を引き立てます。
こう、子供のころ、夕暮れ時に一人で公園で遊んでいるときの不安に似た感情。
不気味さと、凝られた文章に、思わず昔のふとした【子供の頃の怖さ】を感じ、そして、それに果敢に挑んでいく主人公に頼もしさを覚える。
こういう文章は、ぜひとも書籍体で読んでみたいと思う、自分なのでした。

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