コトダマアソビ

作者 一初ゆずこ

36

13人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!


言葉を発したら、それには霊力がこもる。
年相応の少女の目線から語られる、不気味かつ日本の歴史を辿るような奥深い世界に圧倒されます。
文章然り、世界観然り、主人公の歩み方然り。
文字へのこだわりの尋常ではない思い、もとい重み。
それでいて、女子中学生からの世界という、一見朗らかそうで、裏では殺伐とした世界感に飾られ、一層雰囲気を引き立てます。
こう、子供のころ、夕暮れ時に一人で公園で遊んでいるときの不安に似た感情。
不気味さと、凝られた文章に、思わず昔のふとした【子供の頃の怖さ】を感じ、そして、それに果敢に挑んでいく主人公に頼もしさを覚える。
こういう文章は、ぜひとも書籍体で読んでみたいと思う、自分なのでした。

★★★ Excellent!!!

弱味につけこまれると、人の精神など弱く脆い。
悪意を持たない言葉でさえ、時として致命的に、
心の一番危ういところを切り崩してしまうもの。
では、言霊の力を帯びた悪意がそれを為すなら?

言霊の異能を操る美しく残酷な少女、呉野氷花。
他人の心を見透かすかのような青年、呉野和泉。
異質なものを感じさせる兄妹をキーパーソンに、
少年少女は悪意に弄ばれ、そして抗ってみせる。

中学校という閉塞的に完結した世界が主な舞台。
緻密な心理描写が子供と大人の境目の危うさを
あぶり出し、葛藤や恐怖の中へ読者を引き込む。
連載途上の群像劇、続きも楽しみにしています。