戦うヒロインはシングルマザー。17万字もあるとは思えない読みやすさ。

とにかく完成度の高い一作。
伏線とその回収が見事。
満載のアクションシーンに加え、「働くお母さん」としての主人公がいい。

派手なアクションをこれでもかと見事に描写する一方で、「戦うヒロイン」と「シングルマザー」の二面性を持つ主人公の内面をごく自然に描いているのが、本作の最大の特徴だと思います。保育園のお迎え事情とか書いてあるんですよ。

ヒロインのシュカは、強いのはもちろん、大人の女性としてもかっこいい。
だからヒーロー的役割を担うアンジとのバディ感が生きてくる。
このアンジ、すごくいい男なんですよ~。でも二人の間にはべたべたした感じはなく、ちょっとした会話のやりとりがいいんだなあ。

アンジだけでなく、他の脇役もキャラが立ってます。
私が好きなのはトバリさん。素敵すぎます……。

そして、出番は少ないながらもジェニーさんが強烈な印象を残しました。素晴らしいキャラ。包容力と飯テロです。

最後に、なんといってもヒロイン・シュカの息子であるイチ君! 彼の存在によって、自分の子どもが小さかった頃のことを思い出したりして、個人的には、物語の外の世界への広がりもありました。

まとまりのないレビューになってしまいましたが、完成度の高い良作です。
文字数に怖気づかずに是非、読んでみて欲しいです! おすすめ!

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