これぞまさしく異世界スローライフ物語

「異世界スローライフ」と銘打っている物語を最近よく見かけますが、実際に読んでみると「スローライフ……??」な感想を抱くものもまた多い気がします。
理由は、初っ端から生活向上よりハーレムが充実していったり、自重しなさ過ぎて速攻権力者に目をつけられたり懇意になったり、etc etc。

何よりまず言いたいのは、「何故に出会う(親しくなる)相手が異性ばかりなのか?」「事件、騒動、また事件(以下エンドレス)って何処にスローライフ=のんびり生活要素が!?」「俺(私)tueeeな戦闘と俺(私)sugeeeな生産と(逆)ハーレム成分ばかりのスローライフがあってたまるか!! ゆっくりのんびり生活しろよ!!! スローなライフしてねーよ!!?」。
ちょっと心に溜まったツッコミが溢れました。

対して、こちらの話はまさに異世界スローライフです。
1話こそサバイバルですが、住処を整え、森に川に食料を調達し、少しでも美味しく食べれるよう創意工夫して、冬に備えて準備をする、まさに生活そのものです。
精霊から家と能力を貰った後も、そのスタンスは変わりません。
上がった能力でできることが増えたり、楽になったり。変わらず住処をより居心地よく整え、美味しく料理し美味しく食べて、冬支度に保存食をせっせと拵えて、暖かい暖炉の側でのんびり物を作る、これぞまさしく異世界スローライフ物語。

初めて会う人と懇意になるのに時間がかかるのは当然です。ドライな人間関係も、現代日本人なら寧ろ然もありなん。人間不審気味ならなおのこと、時間だけが解決できることは多々あります。ゆっくりのんびり日々を共に過ごすうち、やがて『特別』になるのかも知れません。

この小説がもし漫画化されるなら、杉浦志保女史でぜひ読みたいところ。
眉間に皺を寄せた殺し屋な形相のアッシュも、甘いものを食べて花を飛ばすアッシュも、可愛いなぁと眺めるジーンも想像余裕でしたww
寧ろ、一度そう思ってから全ての登場人物が彼女の絵で変換されるようになりましたww

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