様々な乗り物

 神様は瞬間移動できるが、目的地までの道のりを楽しみたい。だから、乗り物にも乗る。


 路線バスは地面を走る。


 遠距離を行く乗り物は、空を飛ぶ。

 自動車は事故防止機能がついていて、教則本には機能が起動した時には、速やかにそちらへ従ってくださいと書いてあるほど、高性能な出来映え。


 電車に乗るための切符や乗車カードだが、物としては手元にない。この世界で言えば、ICチップみたいなものが霊体に入るという方法である。一回限りであれば、改札を出る時に回収される。継続して使うものであると、期限が切れるまで体の中に入っている。


 この切符の機能は、本人が意識しなくても、改札を勝手に通り抜けることができる感覚というのが正しいかもしれない。特別な操作をしない限り、改札を抜けると同時に、乗りたい列車が来るホームへ自動転送、勝手に移動する。


 つまり、駅構内を人混みを抜けて、あちこち探さなくても、乗れるようなシステムである。何か用事がある人は、特別な操作をして、いきなりホームへ行かないようにもできる。


 この体の中に入っている切符の機能のひとつとして、降りる駅が近づくと、体の内側で本人にしか聞こえない電子音みたいなものが、ピピピと響いて、教えてくれる。

 しかし、この機能は現在調整中らしい。眠ってしまった乗客には伝わらず、寝過ごすという事例が発生しているそうだ。だからと言って、音量を上げてしまうと、起きている人は驚いてしまう。寝ている人と起きている人の見分けが、切符の機能でできるような技術が必要とされている。


 電車は駅の間隔が違い路線は、通常通りレールでないのだが、一段高くなった地面の上を浮いて走ってゆく。遠くへ行く電車は空を走る。重力が十五分の一のため、駅へ停車するためブレーキをかけても、揺れがまったく起きない。ブレーキで降りる駅が近づいてきたと判断していると、乗り過ごす可能性がある。


 


 龍などの大きな体の人でも乗れるようにさまざまな乗り物はできている。車の運転が好きな人もいるそうだ。人によっては、龍のレーサーとして活躍している人もいるほどである。


 宇宙船が一番、技術の向上が著しく思われる。前の章で書いたが、同じ次元でも宇宙は九十九個も存在しており、場所によっては、移動時間だけで一週間や一日がかりということころもある。


 しかし、二、三年前までは一日がかりだったのが、数時間で着くようになったという、移動時間の短縮を時々聞くほど、宇宙船の飛行技術は発達しているようだ。


 宇宙船も様々なクラスがあるようで、ビジネスクラスのようなシンプルかつ使い勝手のよい船や、豪華客船のようなカジノ、高級レストランなどが取り添えられている船まである。


 これは少々違うが、神世にも遊園地があるため、アトラクションの乗り物も色々とある。海の底にテーマパーク全体があるところもあり、そこへは潜水艦のような乗り物へ乗って向かってゆくこともある。


 幽霊や神様は肉体がないため、呼吸はしていない。水の中にい続けても困ることは何も起きない。私たちが思っているよりも、水の中や宇宙空間という場所へ行くのは当たり前にできる。


 次回は、ちょっと話が変わって、嫉妬というものを考えてみよう。

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幽霊と神様にこんにちは 明智 颯茄 @rinreiakechi

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