概要
カメラに閉じこめる、永遠みたいに、長い、一瞬。
夏休み、スランプに陥った少年はイギリスに留学するという名目で日本を離れる。
いつも抱えていたカメラを手放し、中学時代の友人である「僕」を頼って。
「天才」と呼ばれていた少年と、彼の友人である僕の数日。
いつも抱えていたカメラを手放し、中学時代の友人である「僕」を頼って。
「天才」と呼ばれていた少年と、彼の友人である僕の数日。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!素晴らしい灰色の世界
スランプにいる天才カメラマンの友人を持つ主人公。主人公のファインダーから見る天才とそれを囲む世界を描いたストーリーだ。
世界観と主人公の心理描写が丁寧で、独特で、少し寂しくて、心地いい。主人公の複雑で抽象的な「灰色」の心理も、手に取るように伝わってくる。
終盤、スランプから抜けだせるかもしれない友人が、シャッターをきらないところは圧巻だ。ここは、よい意味で読者を裏切り、友人はその後どうなったのだろうか、と思わせ、まさに「灰色」のストーリーだ。
著者は、タイトルにある「灰色」にこうした世界観や心理も込めているのか不明だが、この作品の素晴らしいところは、すべてを灰色に描きあげていることだ。…続きを読む