第9話「ここで終わりなのは、きっと木のせい(確定)」

 さっき【再生】って言ったか俺?


 自分で言ってて思ったよ。

 構造しらないし、現象もわからない。

 でも昨日の俺ならわかる。

 どんな体してたか知ってる。

 それに戻すイメージすればいいんでない?

 俺、天才!


(しゃー! 再生魔法!!!!)


 …………。

 ……。

 結果、俺の意識は一瞬で吹っ飛び、気付いたら夜だった。









「キィー(あるじー、太った?)」

(気のせいです)


「キィー(あるじー、光ってる?まぶしい)」

(木のせいです)


 意識が戻ると一回り大きくなり、感じる魔力も増大していた。

 あれだ『激戦を潜り抜けると戦力インフレ』の法則だ。


「キィー(あるじー、もうただの木じゃない気がするけど?)」

(……木のせいです! もう、そういうこと言うとフラグ立つから! 気のせいってことにして! おねがい!!!)


 その後、シロアリ先輩が所属する団体がお礼参りに来たり、なんか黒いオーラの人が来たり、昭和エルフ(胸が大平原)が来たり、色々あった。


(……もしかして俺、死ぬまで木?)

「キィー(あるじー、それ木のせいじゃないよ)」

 …………。

 ……。

 やめろよー! そこはせめて『きっと、木のせいだよ』って言おうよ。

 そういう振りだよ! ネタだよ?せめてネタに消化しないと君の主、泣いちゃうよ?いい大人がガチ泣き披露するよ?


「キィー(僕、下手な慰めはしない主義なの♪)」

 …………。

 ……。

 こうして、カマイタチ君と俺と周りの奴らの変な生活は、不本意ながらこれからも続きそうである。


作者より「実はこの10倍のプロットがあるのですが、一旦ここまでとさせていただきます~。続きの可能性があるのはきっと気のせい」

では('◇')ゞ



おまけ

主人公:享年25歳。大学デビューを果たした男。移動中にテロに遭遇し死亡。手違いで木になる。生き残れているのは幸運。魔法適性もほぼない。昭和アニメ大好き。逆境も大好き。ファッション転生も好きだけど壁にはあえてぶつかっていく男。ちょっとうざい。


かまいたち君:主人公が生み出した魔法生命体。強い。色々裏設定があるのだけど、知ったこっちゃない。打算で動くオス。嫁を主人公に想像させてまったり暮らしたい。


お隣さん:魔樹。当初主人公を取り込もうとしたが、逆に聖転させられる。


シロアリ先輩:もっと長く出番があったり、本名がスチュアートだったり、恋人が居たり、意外と硬派だったりした。子犬は拾わないがギャップ萌え要因、だったはず。木に負けて養分になったのはきっと気(木)のせいである

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気が付いたら木でした。きっと木(気)のせいに違いない。 ぐう鱈 @guchi_guchi

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