日常に潜む、わずかな性。

日常のシーンを切り取った良い作品ですね。起こっていることは大事件ではないのですが、女体を晒したいという欲望がスパイスとなってどきどきしながら読めてしまいます。もう結構な年なのですが(笑)
初めは踊らされていた性がだんだん消えていき、芸術に対する情熱が勝ったシーンでは優太くんの画家としての才能が見えた気がしました。「戦闘モード」とは言い得て妙ですね。それだけに、結末に救われた思いがいっそう強くなります。
文章も読みやすく、最後まで負担なくさらりと読めました(「読みやすい」が褒め言葉と感じない人もいらっしゃると聞きますが、素直な感想なのでご容赦ください)。
名だたる画家の中には、ミューズを持っておられた方々も多いと聞きます。その人たちもこんな出会いだったのかな、と妄想広がる素敵な作品でした。これからも頑張ってください。

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