夫婦善哉、色んな形の愛が存在する

病院の待合室でipod touchに入れた青空文庫に収録された織田作之助の『夫婦善哉』を読みながら、医師に呼ばれた19の春を思い出した。
どうやっても上手くいかない夫婦が、それでも仲良く質素な暮らしをしていく物語だが、もしこの作品が戦後すぐに出たとしたら似たようなタイトルで出されていたのではないだろうか。
トルストイの「家庭の不幸は人それぞれだが、幸福はみんな同じようなものだ」という言葉にもあるように、この作品の夫婦は不幸であり幸せだ。
子供を作ることができない妻と悪い癖を持つ夫。その間には子供のことを始め、様々な出来事が日常の中で襲いかかってくるのだろう。
現在、愛には様々な形があってそれは私たちの思想や言動にも様々な影響を及ぼしている。
この物語はその一例で、普遍的な夫婦を表したものだ。いつか私もこんな妻になるのかもしれない。
そう思いながら物語を読んだのだった。