むかし観た映画を観ているような気分

フランス映画を大学生の夏休みに見たことがあった。タイトルは『小さい惡の華』悪さやサバトをした少女たちが人を殺し、最後は一緒に死ぬ映画だ。
ラストに呆気に取られたのはいい思い出だが、この作品を読んだ後も呆気に取られてしまった。何というか、一緒に出会った女の子と一緒に死ぬのかと思ったら、まさかそんな結末になるなんて思いもしなかったからだ。
薬をやって酒を呑み、人生地に落ちるのはアウトサイダーな映画にはよくありそうな内容だ。他には映画『愛のコリーダ』を撮影していた頃の大島渚監督の作品のような堕落感を感じる。
10代の堕落というものはコメディとしてみていても、背徳感あふれる物語として見ても面白い。一体どうしてなのだろう。
どうせならどこまでも堕落していく主人公を見てみたい。そう思わずにはいられない一作だった。