睡眠死

作者 無為憂

80

29人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

睡眠死。
この場合の死は生物としての死ではなく
社会的人間としての死を意味します。
つまり、長い時間を睡眠下で送るのです。
病気の兆候があらわれた場合、
医学的に眠らされます。
病気の症状により眠るのではなく人為的に。

主人公は六十年の睡眠から目覚めます。
映画「フォーエヴァーヤング」的な設定ですけれど、
恋人は植物人間になっていません。
ひとりフォーエヴァーヤング。

文学の雰囲気、
物語の反転。
高校生の生きづらさ。
豊かな小説だと思います。

★★★ Excellent!!!

独り時代に取り残されて、60年の時差を感じて、それでも生きていく、生きていこうとする主人公。

見るもの全て新鮮でも、
大事な人を助けたい、白い目で見られたくない、好き、嫌い、といった人間的な感情はいつの時代もそのまんま。

人間である限りきっと、どんな人とでも関係を築ける。
そう感じました。


知らぬ間にもういない親と、もう長くはない妹と、彼女と、、。
「いつになる」か「わからない」人を待ち続ける梨子さんはどんな気持ちだっただろう。

よくあるタイムスリップものとは違って、
深遠かつ短簡な表現に蠱惑されました。

病気、時間差、愛、ステップファミリー、いじめ、性など奥が深い要素が取り込まれ、私と同じ高校生とは思えない深い知能を持つ作者に敬意を表したいと思います。

★★★ Excellent!!!

過去にいた家族はいなくなってしまった。

今の家族と友好関係を築こうとするも、なかなかうまくいかない主人公。
それでも主人公なりになんとかやってみるも、新たなトラブルが…。

最後の結末は見物です。

人間関係とは難しいと思いながら読んでいると、そんな事が起こるなんて!と悲しい気持ちになりつつスラスラと読むことが出来ました。

過去と今、二つの時代を生き抜くことも難しい…。
昔の人達にまだ覚えて貰えていたことが幸いですね。
素敵な作品、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

当作品は時間を他の人間から切り離される事で、まるで世界に1人置いていかれたような孤独感を静かに感じられる。最高に感傷マゾに刺さる作風だ。
作者と私は少し前より面識があったのだが、当作品で彼の成長を見せつけられることになった。まず序盤、一風変わった世界観で個性を出しつつ、丁寧な描写で読者をその世界へと引きずり込んだ。現に私は読中、風呂に入る2秒前で全裸だったのだが、世界観に引き込まれ、両親に催促されるまで、全裸で読魅入ってしまった。そして中盤、グダることは無く、新鮮なままの寂しさを堪能させてくれる。青春を生きる情緒豊かな高校生でしか書けないもので、私は嫉妬してしまった。この作品の終着点に相応しい、何処までも静寂でいて感情的な、それでいて読者に自由を与えて考えさせる、そんな終盤で、思わずこの作品の虜にさせられた。

ネタバレを避けるために、ここまで抽象的な表現ばかりになってしまったことを、まず謝りたい。
しかしこれだけは素直に言わせて欲しい

私も「堪らなく、悔しかった」

是非一読をお勧めする
きっと残酷で何処までも不整合な世界に魅入ってしまうから





★★★ Excellent!!!

 少年――快は「古い人間」。確かにそうかもしれない。
 でも、彼はそれ以前に我々と同じ「人間」である。
 その間にぽっかりと空く穴が彼の心を、そして僕の心をくしゃくしゃと掻き回している。

「この話は僕には書けない」
 それが第一の感想です。良い意味で僕には書けない作品です。
 如何に自分が日々をのうのうと過ごしているのか、考えてしまう程でした。

 雫が目を覚ました時、彼女はどんな世界を見るのだろうな。

★★★ Excellent!!!

‪まずこの作品の魅力は、「睡眠病」「睡眠死」という設定を十二分に生かしつつも、人間関係やら感情の機微やら何やら、もっと近くて現実的なものがメインに描かれている点である。主人公が感じる疎外感、孤独感や、どうしようもない隔たり。そういったものが、間接的に、丁寧に、描かれている。そして、そのような重いテーマを扱っているにも関わらず、構成が良いために読後感はすっきりとしているのも魅力のひとつだ。‬

‪私的に本当にお勧めしたい作品である。このレビューを目にした方は是非この「睡眠死」を読んで頂きたい。‬

★★★ Excellent!!!

これを病室で読んでいたことも相まって、考えさせられる作品だった。
死ぬということ、時間をなくすということ、生き返るということ。

読後1日経ってこのレビューを書いているが、未だによくわからない。作者はこの作品を通じて何を伝えたかったか、そのメッセージをうまく汲み取れない自分を愚かに感じる。
この作品の評価をただ陳腐な言葉だけで並べるのは良くないのだろう。だけど、俺の語彙力ではこう表現するしかないのだ。
「ただただ、極端で、綺麗だった」

ヒューマンドラマとしては不完全で、SFとするにはいささか現実的で泥臭すぎる。恋愛もの、家族ものとするにはとてもじゃないがグロテスクだ。
そして同年代の作品としては、綺麗すぎる。
どの方面にしても極端なこの作品の顛末をどうか見届けてはくれないか。きっとあなたにとって価値のある作品になるだろうから。

★★★ Excellent!!!

 プロローグとエピローグとがすでにアップされていますが、それがネタバレとなって興が殺がれるどころか、これからどう物語が展開するのか、そして、この余韻の残るエピローグに、どう繋がるのか、興味が尽きません。

 プロローグを読んだ時、実質1話となる3話を読んだ時、私はモノクロの背景を想像しました。悲しく、寂しい印象があり、けれど人物だけが鮮やかな宝石のように美しく感じました。

 儚く、固いが故に脆い印象があり、だからこそ美しい人物たちだ、と。

 繰り返しいいたい事は、結末がわかっていながらも、経過がどうしても気になる作品です。