命を賭けたシェヘラザード
- ★★★ Excellent!!!
目覚めたら拘束されていて、目の前にはナイフを持った美少女。この密室サスペンスの冒頭から一気に引き込まれました。
ミズチというキャラクターが秀逸です。学校での「擬態」と本性の落差、一人称が「あたし」と「ミズチ」で揺れる不安定さ、『心理分析官』を読みながら殺人を語る異常性——狂気の説得力が違う。
そして第3話、「小説を語れば生き残れるかもしれない」という命を賭けた物語語り。シェヘラザード構造の変奏として見事な設計です。ラストの「けど面白くは感じない」で突き落とされる絶望。続きを読まずにはいられません。