まさに慧眼!

実に論理的、かつ深く考えられた創作論だと思います。
殊に興味深いのは表題の「なろう系」とそれに関する評価についての分析に留まらず、その裏に潜む出版界の病理についてしっかりと指摘していることでしょう。
そう、今の出版社は「頭を使わない」のです。
「貧すれば鈍する」を地で行った結果、安易な基準と発想で作品や作家が利用されている。
これを押さえておくのは大切なことでしょう。たとい自分の作品が商業作品として梓に上るようなことがなくとも、創作者にとっては他人事ではありません。
出版社のこういう悪しき志向は他にも向いています。例えば高齢者すらも「人生経験豊富な即戦力」の美名の下に利用しようとしている節がありますから、もう節操なしもいいところです。各分野各世代に被害が広がる前に、何とかせねばなりますまい。
「なろう系」の氾濫からせっかく見えたこの事実、声を上げて止めねばなりません。
まさに慧眼です。

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