概要
夢追うことは、滑稽で、けれども美しい。
かつて画家を目指していた佐伯保は、あることがきっかけで再び絵を描きはじめる。それが、ある再会をもたらす。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!「何者にもなれない人」の熱と意地の物語
物書きも含めて、創作やスポーツに携わる人は多かれ少なかれ感じるテーマだと思います。
熱意や自信を喪失したり、生活や進路を優先したり、挫折を経験して二度と見たくなくなったり、
僕自身も小説ではないところでそういう経験があるので、とてもダイレクトに感情移入できるテーマでした。
一方で、主人公はまだそれが好きな心を持ち続けていて、その心と技量を理解し、評価してくれる存在がいる、という点で恵まれているとも思いました。
挫折を機に「なんでこんなものを好きだと思っていたんだろう」と捨て鉢な気分になったり、
創作とはまた別のことに興味が向いて自然消滅的に創作への興味が薄れてくる、といった心境も味わうこと…続きを読む