二度読み必至。プロットの鬼才。

この作品を最初に読んだときの衝撃を、今でも忘れられません。これほど完成度の高い緻密なプロットの上に成り立った作品は、プロアマ問わず、めったに出会えません。

いっき読みをお勧めします。
まず冒頭で、いきなり5話から始まることに違和感を覚えるかもしれませんが、そこはスルーして、とりあえず読み進んでいきましょう。
最初のうち、ありがちな、ちょっとSF風味のホラーと感じるかもしれません。3話くらい読んだところで、くりかえしに飽きる人もいるかもしれません。

が、とにかく最後まで読んでほしい。
そのとき、あなたが唸ることは間違いないのだから。そして冒頭に帰り、作者がプロットに込めた細工に鳥肌を立てる。

じっさい、僕がそうでした。
書き手として、これをどうやって書いたのか、こんな書きかたができるのか、作者に聞かずにはいられませんでした。
答えはプロットを計算しつくした——とのこと。

奇抜な発想で読者を驚かせてくれることの多い作者さんですが、この作品はとくに傑作です。
一分のすきもない綿密なプロットを、ぜひ堪能してみてください。

え? ホラーは苦手?
ご安心を。ホラーと言っても心霊やグロやスプラッタではありませんので。
むしろSF好きには、たまらない作品です。