桜とは日本人にとって特別な花。毎年春に当たり前のように咲いて、私たちを楽しませてくれる花。でももしその桜が、当たり前のように咲かなくなってしまったら──?これはそんなお話なのですが、このお話を読んで、私はまたひとつ桜が好きになりました。皆さんもぜひ。春にぴったりなお話ですよ。
日本人がサクラと聞いて連想するのは、 通常はソメイヨシノであろう。 もともとこの品種は病虫害に弱い。それに、接ぎ木や挿し木で増えたものがほとんどであり、いわばクローンである。寿命もそれほどは長くないらしい(長いとする学説もある)。 そんな儚い桜のイメージを固定させたソメイヨシノと本作に出てくるサクラが同一かどうかは分からないが、ただ、主人公の ささやかな気持ちを受け入れるだけの優しい木ではあると思う。 詳細本作。
ひいおばあちゃんの思い出、緑化ドーム、プロジェクションマッピングに、人型ロボット。SFの物語の道具立てをしておいて、気持ちを桜樹へつなげます。ちいさな奇跡が待っているのかも。
とある惑星に植えられた一本の桜。春を失った世界に、ふたたび芽吹いた春があたたかな光を感じさせてくれる、とてもやさしい物語です。ぜひ読んでみて。
別の星に植えられた桜のお話。咲かない花にプロジェクションマッピングというのがなかなかいじらしい話ですね。でも、その事実を知った私にひいおばあちゃんが花びらをくれる。古き良きものを大切にする方だったのかな。ひいおばあちゃんの星の下で咲く花。必ずひいおばあちゃんも見てくれているはずだと信じられました。
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