「アカデミー死体賞」文字通り、映画で優れた死体を演じた俳優に贈られる賞。この発想が素晴らしいです。現実に欲しい賞です。一見嫌がられそうな役にも、必ず大きな価値がある。ひたむきに素晴らしい作品を目指すすべての人に、同等にスポットライトを浴びるチャンスが与えられますように、と思わずにはいられません。主人公が妻に関して語った言葉。短編なのに、泣きました。短い文章の中に、大感動のエッセンスを詰め込んだ、素晴らしい短編です。
映画やテレビを観る時、名もなき脇役に注目したことはありますか? これはそんな死体役に情熱を注いだ男と、その姿勢に惚れた女性とのお話。納得のオチに心をもっていかれました。
ラストサムライという映画に、主人公からボブと呼ばれた侍が出てくる。端役である。それまでの役者人生を端役で通している、福本清三氏である。福本氏の演技はハリウッドでも話題になり、わざわざ招かれて渡米した。本人は一貫して淡々飄々としている。 本作の主人公もまた、端役を通している。その端役が死体賞候補になるとはハリウッドも中々に粋なはからいをする。冒頭の実況からもう引き込まれていたが、テレビで途中まで経過を見守ってから仕事にいくパートナーの姿が秀抜極まりない。あらゆる意味で必要不可欠とはまさにこのことだ。 詳細本作。
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