2年の歳月を語るには些か淡々とし過ぎているが、ラストシーンの描写がよい。
配偶者を失う悲しみは味わってみなければわからないだろう。 そうしたことどもを少しでも想像する手がかりになるのが文学というものだが、主人公とちょうど対照的な位置にある女将が主人公の回想だけの登場とはいえ大きな位置を占めている。 配偶者が亡くなってから無気力になり、いわゆるゴミ屋敷になってしまう家は少なくない。社会問題化しかかっている。 そんな中、前を向き直して歩き始めた主人公の背中は尊い。
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