郷愁の中に確かに息づく、青春を自分らしく生きる恋

本を通して話が、感情が描かれていく様子が、読書好きにはたまらない作品です。
自分のできる範囲で、自分らしく助ける主人公がいじらしく、また自分の力量を超えられない己の無力を噛みしめる、そんな実寸大の恋愛模様が読者を引き込みます。
丁寧な描写で描かれるラスト。ようやくヒロインの表情が登場する展開と、西日の差し込む下駄箱の情景が、懐かしいのに思わずはにかみたくなる瑞々しさに溢れています。
初々しい2人の後ろ姿が目に浮かぶ、優しい優しい物語でした。

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