たった二人の部活動。その先輩が大嫌い。一つの事件を通して、主人公の先輩への感情の変化が細やかに描かれていて勉強になりました!
仮にもものを書いているのなら様々な思いをそこに込めているだろう。思ったように伝わらなくて止めてしまうようなら、それだけの思い。文章だけに留まらない。「人」に「思い」を届けるのはそれだけ「熱意」と「根気」が必要なのだ。思い知って、またペンを取ろう。わたしたちには綴るべき「力」があるのだから――。
序盤では今一つ未熟な、自分の感情を持て余し気味の主人公が『事件』を経て精神的に脱皮していく様子を克明に描いている。一つ一つの場面をちゃんと整理して理路整然たる流れを作り、そこに主人公の作品や妹といった岩を配した構成は一本の清流であろう。 主人公を見守る先輩の言動が珠玉な傑作。
もっと見る