ゲームとゾンビ、時々社畜
- ★★★ Excellent!!!
看護師、エンジニア、保育士、不動産屋。普通に生きていればあまり関わり合うことのない彼らがゾンビの大挙するゲーム世界に迷い込み、チートやバグを利用して元の世界への帰還を目指すサスペンスアクションです。
ゲームをプレイする人であれば思わずあるあると頷いてしまうバグや小ネタの数々。そして、バラエティに富んだ職業に就いている登場人物達から語られるお仕事知識。実際にそこにいるかのように感じられるリアルな舞台描写などが軽快なテンポで描かれ、長編であるにも関わらず全く飽きを感じさせません。
また、様々な危機を乗り越えた登場人物たちの描く「大人の青春」も大きな見所です。縁もゆかりもなかった彼らが、ゾンビだらけの世界で不器用に惹かれあっていく。そのぎこちなさ、初々しさ、実に尊いです。
番外編では登場人物たちのあれこれが更に色濃く描かれており、バールナースの世界をより楽しめます。本編を読み終わっても是非続けて読んでいただきたいです。