アオイのすべて 〜第四十一代司教に係る司教記録本

作者 矢向 亜紀

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★★★ Excellent!!!

読んでいる間ずっと、穏やかな旋律が聞こえてきます。そして、時折響く低音の重厚感。まるで音楽とシンクロしているような美しい物語です。丁寧に織り上げられた一つ一つのエピソードから、作品に込められた想いの深さがひしひしと伝わります。ぜひ一人でも多くの人に読んで頂きたいと思います。

★★★ Excellent!!!

正方形の街クアドラートに就任した若き司祭アオイ。新聞記者のエミリアは、彼の半生を綴るために、5日間の取材を行うことになる。
穏やかで、茶目っ気があって、およそ厳格な司祭とは程遠い彼。しかしその裏側には、美しくも悲しい出会いと別れがあった――。

一文目から引き込まれ、物語の最後のシーンで涙しました。
この物語は、とても透明で美しいと思います。アオイという一人の男の人生を辿っていき、それを記述する。エミリアが書物として残す言葉は非常に簡素です。けれど、短く書かれた一文の事柄を知る最中で、彼女は多くの人間に取材をして、その感情に触れている。その事実の上に立った時、簡素に書かれた書物の一言が、冒頭のアオイの演説に込められた意味が、じわりじわりと胸を締め付けてくるのです。

この物語は、美しい宗教画そのものです。謎めいていて、深く掘り下げれば掘り下げるほどに、込められた意味に心が震える。本当に贅沢な読書体験でした。

ぜひ皆様、ご一読くださいませ…!

★★★ Excellent!!!

緻密な構成、静かな文体、それらすべてがこの作品ならではの世界観を作り上げている。

物語が進むにつれて一つひとつ明らかになっていく秘密に、のめり込まずにはいられない。

作品に込められたメッセージ性も強烈で、読者は読み終わった後に考えることになると思う。

とても重厚な物語でした。

★★★ Excellent!!!

瞳に刻まれた紋により生きる場所を制約される世界。

この世界で新たに司教となった若き青年がいる。

この作品はこの司教を取材する1人の女性が真実に迫る!

とあまりネタバレはしたくないので、この作品の魅力を伝えたい。

先ずは設定の素晴らしさ。そして人物の心情が立体的に見えて来る描写だ。

徐々に明らかになって来る物語に読み手は入り込んでいくだろう。

そして最後まで読んだ時、この作品のメッセ-ジを聞く事になる。

是非、読んで頂きたい作品です。

オススメです!