フクロウが義理堅いかどうかは知らない。教化された生物は二度と野生に帰れないのだ。反自然主義とも読める。

映画脚本家になって、世界に作品を残そう

この作者の作風と魅力を一口でするっと読んで味わえる小作品。読み応えのある長編に躊躇している人はこれを読んでみるとよし。

主人公の贅肉のようにこびりついた劣等感が語りを面白くしている。
このコミカルな三人称視点がぶんころり先生の武器だよなーと。

昔々、と始まるもんですから、てっきりちょっと古風な童話かと思ったのです。ところがどっこい、読み進めていくと現代風なものがどんどん出てくる。これは一体いつの話だ。いや、そんなことはどうでもいい、なんたってストーリーが面白いのだから！

『切り札はフクロウ』というお題にぴったりな、クスッと笑える短編小説。気分が落ち込んでる時に読むと明るい気持ちになれるのでオススメです。

純粋な気持ちが巡り巡って主人公に幸せをもたらすお話。

本人の行動には自分を利そうという打算が一切ないピュアなおっさんが報われたっていいじゃないか。現実は世知辛いけどな。
５００年後ぐらいには別の銀河系で地球時代のフォークロアになってるかもしれません。

内容は、王道の昔話風味
ただし世知辛さは、息苦しい現代風味。
肉体的な強敵はクマ。精神的な強敵は課長。
生きるために戦ったオジサンが、フクロウと軽い思いつきのおかげで、めぐりめぐって報われる小話。