最後はきっと、青空で。

 独白と考察的な始まり。
 自分が捕らわれた「黒」と、他者の善悪について思ったことを独白していく。印象的には暗くて、ちょっと恐ろしい。しかし、主人公がそんな中で「もう一人の自分」を認識し、感情や世界、他者への考察へ移行した時、「黒」一色の世界は変わる。微睡の世界からの目覚めだった。
 この目覚めで、作品の雰囲気は一気に変わる。
 朝の空気に満たされた、最初の一歩はすがすがしい。
 
 急に視界が広がる感覚が味わえる。
 最初の暗がりからの解放は、読者に損をさせない。
 きっと、読んだことを後悔させない。

 是非、御一読下さい。
 

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