【完結】スケルトンでも愛してほしい！

トラップに引っ掛かって死んでしまい、ガイコツの戦士「スケルトン」になってしまった冒険者ケビンと２０年の時を経て彼を探しにやってきた女冒険者コレットが織りなすドタバタコメディです。
タイトルは例えとか、そういうものではなくて直球ですね。骨になっちゃったけど思考は生前通りのケビンが何とかして思いを伝えようとじたばたしたり、途方に暮れる姿が面白い。コレットの天然ぶりが笑いにより一層の花を添えてくれています。
デコボココンビの恋路ははてさてどうなりますことやら。オススメです！

遺跡の落し穴に落ちて20年。スケルトンになってしまった冒険者ケビンと、女新米冒険者コレットの、ドタバタすれ違いラブコメ。

ゾンビに襲われたコレットを助け、彼女に一目ぼれしたケビンだが、コレットからは、ガイコツにしか見えない。

ケビンを自我以外は完全なるモンスターに設定し、「コレットと会話出来ない」としたのが上手い。

またコレットを少し抜けた女の子に設定した事により、両者の間のスレ違いが加速する。

両者の視点から物語が描かれ、両者の想いの噛み合わなさっぷりは、まるで、よく出来たコントの様だ。

ケビンとコレットのすれ違いが面白い！
この思い何時になったら伝わるの！？
初心者向けダンジョンなのに高レベルモンスターやレアスケルトンまで！？
二人の明日はどっちだ！！！？

視点切り替え、ザッピングを破綻なく使っており、すごいと感じました。その上、２０年という各主人公のずれの要素も興味を引くモノです。

ただ、ザッピングだけに読みにくいのが難点。それさえ気にしなければ、逆に楽しめる要素となります。
それに作者自身、ザッピングを売りにしているため、見やすく整理されていて、ここはネット小説ならでは強みと思います。

ちょっと紙媒体になると、この要素を活かすには難しいでしょうが。

ケビンとコレット、お互いを探しているのにスケルトン姿のせいでとにかくすれ違う様子にもどかしい気持ちになります。
2人が無事に言葉を交わせる日がくるのかどうか、この先がとても楽しみな作品です。

　新進気鋭の冒険者が事故によって消息を絶ち、その冒険者を探すヒロインの前に現れたのは、変わり果てた主人公…と書けば、シリアスでダークな雰囲気になってしまいますが、本作に、そんな深刻な空気はなく、明るい陽の光がよく似合う物語です。

　スケルトンという設定が秀逸で、すでに声帯がないからしゃべれず、言葉によるコミュニケーションは不可能。

　肉体も存在しないが故に、走る事すらスムーズには行かず、文字を書こうとすれば古代文字に見られてしまい、筆談もままならない。

　そもそもモンスターとなった主人公は、その姿もそうだけれど、下級という事もあって、ゆっくりと話ができる雰囲気にもならない…と、改めて箇…続きを読む