鯖みそ

あなたのなかに

わたしは光を見た

わたしは繋縛され

間も無く殺される

あなたの目の奥に

わたしは光を見た

それは瞬きすると見えなくなり

闇のしじまに溶けてなくなる

薄らいでいく意識

それでもわずかに

誰の眼も焼け焦げるような

美しき光

誰もが恐れて涙する

神の光が


あなたの愛に

わたしは光を見た

わたしたちの褥が

清らかなままでいる内に

あなたの手が

わたしを擦るたび

あなたの愛に

わたしは光を見た

あなたの声が

海の声と溶け合い

私が眠りにつく頃に


もう何も見えない

もう何も聞こえない

もう何も感じない

それでもわずかに

誰の眼も焼け焦げるような

美しき光

誰もが恐れて涙する

神の光が



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

鯖みそ @koala

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る