概要
恋愛が若い人の特権だなんて、誰も言ってない。
通っている高校が春休みに入って以降ずっと、私は気になっていることがある。
痴呆の祖父と、その世話をする祖母についてだ。
毎日毎日、必ず一回祖父は言う。
「僕と結婚してください。一目惚れです」
そうして必ず祖母は言う。
「ごめんなさい」
別に仲が悪いわけでもないだろうに。
痴呆の祖父と、その世話をする祖母についてだ。
毎日毎日、必ず一回祖父は言う。
「僕と結婚してください。一目惚れです」
そうして必ず祖母は言う。
「ごめんなさい」
別に仲が悪いわけでもないだろうに。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!時間を飛び超えて、様々な姿を見せてくれる純愛作品
この作品に出てくる痴呆のおじいさんは毎日おばあさんに「僕と結婚してください。一目惚れです」と言います。
それを言われたおばあさんは「ごめんなさい」と答えます。
痴呆で記憶の止まったおじいさん。
そんなおじいさんをそばで支えながら一人だけ新しい記憶を刻み続けてきたおばあさん。
時間軸のズレた二人。その中で抱くそれぞれの想いがどこか切なく悲しい。
だからこそおばあさんは「ごめんなさい」と答える……のだが。
この作品、痴呆のせいもあるのですが、読んでいるうちにおじいさんだけ50年前の姿に見えてきます。
なのですが最後は一瞬で時間を飛び超え全く違う見え方がするんです。いろんなことが……魔法…続きを読む