こういう戦い方もあるのか……

開幕後すぐに表れる謎。追手。逃避。追撃。

息つく間もなく展開されていく話の中で、随所に散りばめられた専門用語。それらをどこかで説明されたわけでもないのに、物語を追って行くと自然に世界観と設定が頭の中に入ってくる物語の仕組みは、まさにファンタジーのお手本と言っても過言ではありません。

また、ストーリーに動かされるキャラクターではなく、キャラクターが独自に動き、その場所に背景としてストーリーが現れるように感じました。
キャラクターがそれだけ作り込まれているということです。しかも、癖の強いキャラクターが多いから、必然ストーリーも面白いものになります。キャラクター小説とはこういうものを言うのか、と個人的な結論を出すに至りました。

普通、個性的なキャラクターが多くいる世界では、主人公は無個性であったり、凡庸な人間であったりするものですが、この作品は主人公までもが個性的。いや、実を言うと個人的にはこの作品の中で一番のクワセモノかなと。

「こんな戦い方ありかよ……!」

と驚嘆しました。
いったいどういう訳なのか気になった方は、是非読んでみてください。
きっと私と共感してくださる方もいらっしゃるのでは、と思います。